木曜日, 5月 20, 2010

新人歌手にとってのインディーズレーベルとメジャーレーベル

今日の出来事なのですが、ある方から「貴社は流通をやっているんですか?」と聞かれました。

流通というのは、簡単に言うとCDをHMVさんとかタワレコさんとか新星堂さんなどのみんなが知っているような名前のCDショップの店頭にCDを納品させてもらえる機能の事です。
意外に新人の歌手の人は分かっていないようですね。

まずレーベル(レコード会社)というのは、CDを制作する会社です。
つまりあの丸い盤そのものを制作する会社なのです。

*レーベルが工場を持っていて、自社でプレスしているわけではないですが・・・


CDをプレスするための元になっている音源のことを原盤と言います。
場合によっては、マスターと言います。
でも契約書などを交わす場合には「原盤」と書かれることが多いので、「原盤」で覚えてしまった方がいいです。
なので、ここから先は「原盤」と言う言葉を使いますね。

覚えやすくすると「原盤」を複製したものが製品=販売されているCDというわけです。


さて、「原盤」がココに1枚あるとします。
「原盤」を制作するためには「アーティストが声を録音したデータ」「伴奏音(カラオケ)」が必用ですね。

*かなり簡単に書いちゃったけど、伴奏音を制作するついても「ギター」「ベース」「ドラム」「鍵盤」などの様々な楽器の演奏があって初めて伴奏になるのです。
我らが五十嵐宏治氏は主に「鍵盤」を演奏してますよ!!

「アーティストの声」「伴奏」を合わせたデータがあれば、とりあえず複製は可能になります。
とりあえずと書いたのは、細かい作業がもう何段階もあって、たとえばミックスダウンとかマスタリングとか最終OK!というところに行くまでに色んなエンジニアさんの手を借りるからです。

本線と外れるとややこしいので、「そんなもんなんだ~」と先ず覚えておけばいいです。

さぁココからもうちょっと難しい話になります。
この「原盤」を作ったのは誰でしょうか?
今から歌手を目指すんだ!メジャーで活躍したいんだ!というような意気込みのある人は、自分のお金を使って「原盤」を作ることが多いですね。

つまり、自分で原盤を作ったのですから原盤は「私のものですよ」という事になります。
これを簡単に言うと「原盤権」という権利になります。

はて・・・なぜ権利の話をするか?
というと、「原盤権」には「私のものですよ」という意味ともう一つ大事な権利が含まれて居ます。

それは「複製する」という権利です。
分かりやすくジャイアン風に言うと

「俺のものは俺のもの。だから、俺が複製しても俺のもの。」

ということです。

ところが、ジャイアンみたいに全部自分で権利を持っているとCDという製品を自分で工場を探してきてプレスしなければなりませんし、さらにCDショップを1軒づつ回って「CDを作ったんですけど、店頭に置いてもらえないでしょうか?」とお願いして歩かねばなりません。

全国に何千とあるCDショップに営業に回る根性のある人はそれで良いのですが、時間も交通費も無い!という人の為に「レーベル」と「流通会社」が存在しているわけです。

まずさっきの話を思い出してくださいね。
レーベルは、CDを制作する会社。
でも、「原盤権」という権利はアーティストが持っています。

なのでレーベルに対して、アーティストが「私の原盤を使ってもいいよ」という契約を交わします。
これを「原盤供給契約」といいます。

この契約を取り交わした後ですと、レーベルは原盤を複製して製品を作ることができます。

そしてレーベルが流通会社に「うちのレーベルから発売するCDを店頭に置いてください」と依頼するわけです。

なので、レーベル=流通会社ではありません。

流通会社は基本的には個人のアーティストと契約を取り交わすということは少ないです。
なぜなら、個人のアーティストが1年に出すCDの枚数は多くても3~4枚ですね。

仮に年に3枚のCDを発売するアーティストが居たとして、それぞれ1000枚のプレスをして流通会社がそのCDを倉庫に入れて保管しておく経費と実際に店頭で売れる経費を比べた場合、倉庫代の方が高くなってしまうからです。

ですので、レーベルのように毎月何枚かリリースし続ける会社と契約をします。
(最近は、そうでも無い流通会社もあるようですが・・・)

これが主としてインディーズのやり方です。
CDショップの店頭に並べられるという意味では、メジャーもインディーズも同じ土俵の上に立っていると理解してもいいです。

ただ、メジャーレーベルには宣伝部隊があってインディーズに比べれば露出は多くなる可能性を秘めていますけど。。。


色んなやり方があるので、ここに書いたとおりだとは限りませんが、かなり代表的な例として覚えておくといいです。

なぜなら、色んなメーカーがあって色んな考え方があるので一概に正しいか間違っているかと判断できませんが、もしアーティストが全国のCDショップに自分のCDを置いてもらうことが重要だと考えるならば、少なくとも流通会社と契約されているレーベルに原盤を供給しないと意味がありません。

この逆で、CDは店頭にならぶ必用はまったくない!
自分がライブで直売するんだ!
という根性があるならば、レーベルに原盤を供給する意味が余りありません。

ライブでも直販するし、CDショップにも置いておいて欲しいなと思うなら流通会社と契約しているインディーズレーベルへ原盤供給するのがベストです。

メジャーの場合は、原盤をメジャーが作りますのでアーティストは言わば「雇われの身」です。
一回のレコーディングでギャラはいくら?という契約をする事が基本では多いです。
(メジャーレーベルで、尚且つアーティストマネージメントもしている会社は月給制の会社もあります。)

あえてこういう話を書いているのは、インディーズだからダメとかそういうことではなくて、インディーズとは何なのか?ということを知った上でメジャーを目指すかどうかを考えて欲しいからです。
メジャーは原盤の制作を自分の会社で行います。
つまり、先ほど話した原盤権はメジャーにあります。
(それに付随する様々な決定権も)